【GDC2019 特集④】「ゲームのマーケティング」セッションから、エンジニアが開発の醍醐味を考えてみた

どうも、あまたでエンジニアを務めてるSです。

普段は隅っこで音を立てないように静かに棲息しているステルス人間ですが、今年は『GDC2019』に参加させて頂き、ブログ記事を書くことになりました。
ちなみにですが、私は日本ではなく中国出身です。
日本に来て6年経ちますが、その半分くらいの時間はあまたでお仕事させてもらってます。まさかアメリカまで行くチャンスが来るとは、思ってもみませんでした。あまたでは、こういった勉強の機会は国籍関係なく、誰でも平等にチャンスを貰えるので、それは嬉しい事です。

と、前置きはさておき、本題に入りたいと思います。
今回は十数時間飛行機に乗り、太平洋の向こう側へ行って、『GDC2019』で勉強してきたわけですが、ゲーム開発ノウハウだけでなく、運営 / 販売に関係したセッションも沢山あり、個人的にはそちらが非常に興味深かったので、今回は「ゲームのマーケティング」に関するセッションを少しだけ紹介したいと思います。


そのセッションはNo More Robots所属のMike Rose氏による『Game Discoverability Day: Building a Community for Your Game from Scratch』。日本語で表現すると、「1から自分のゲームコミュニティを構築する方法」という感じでしょうか。

「Discoverability」という単語は、調べると「発見可能性」という意味で示されることが多いですが、ここでは、App Store、Google Play、Steam等々のゲーム配信プラットフォームで毎日大量に更新されるゲームの中から、自分のゲームがどれだけユーザーから見つけやすくなっているかの度合いを示しています。

引用:Game Discoverability Day: Building a Community for Your Game from Scratch

こちらトークの中でわかる通り、Rose氏はインディーズタイトルの販売や宣伝を担う立場として、「自分の関わったタイトルをいかに多くのユーザーに知ってもらうか」という事を課題に尽力しています。
その最もコストパフォーマンスの良い方法として、「フリーのサービスやツールを使ったコミュニティを育成すること」だと主張しました。
そう主張する背景にはRose氏自身の以下のような経験があります。

全世界に多くのユーザーがいるゲーム用チャットツールの「Discord」。
そのすべてのユーザーが自分のゲームタイトルのユーザーになり得ると考えたRose氏はNo More Robotsの「Discord」サーバーを立ち上げ、各SNSメディアでユーザーに勧誘をかけて、集めたユーザー達を気になるゲームタイトル専用のチャンネルへ誘導しました。
そして、リリース済みのタイトルだけでなく、配信前のタイトルについても事前にチャンネルを作成し、βテストの登録の受付やバグの報告を「Discord」に集中させ、集まったユーザーたちが完成・未完成に関わらずゲームについて語り合い、自分たちの要求をダイレクトに伝えることができる空間をつくりあげました。
また、少人数の開発で、ユーザの要望に追いつけない場合は、ユーザの間のみのメタゲームを主催して、より「コアなユーザー」を育てることに力を入れました。


こういった試みによって、「Discoverability」問題に向きあってきたとい背景がありRose氏は、有名IPを使ったタイトルやAAAタイトルに比べて、インディーズゲームの多くは、どうしても人の目に届きにくい問題があるが、そこでいかにコスパを考えて、この「Discoverability」問題と向き合うかが、インディーズ開発者が生き残る鍵になるのではと、力説しました。

※講演内容を日本語的表現で要約して引用した内容となります。本内容は動画にてご確認ください。


こちらの講演内容を受けて、私がエンジニアとして思った事をまとめました。
私は正直言ってインディーズゲームの開発経験はありませんし、欧米のゲーマーのこともよく分かりません。
公式がチャットツールやSNSでユーザと直接やり取りできる事はメリットもあり、その分デメリットというか、それなりにリスクもあります。そこで大事なのは、適切な距離感とさじ加減だなと思いました。
ただやはりRose氏の主張したように、いいものを作ったからこそ、なおさらより多くのユーザに知ってもらい、遊んで、意見を言ってもらう工夫は大事です。
私も開発の場においては一(いち)エンジニアにすぎませんが、それでもただプログラムを書いておしまいではなく、やはり実際作ったものにユーザーがどのような反応をし、どのように扱うかを受け止めた上で、どこを改善すべきか考えていくのが、ゲーム開発の醍醐味だと感じてます。

ちなみに、あまたでは、こういったユーザーから頂いた意見や集めたデータを職種関係なくチーム全員に公開して、真摯に受け止める価値観が浸透しています。この価値観の共有こそ、開発/運営が一丸になって仕事への高いモチベーションを維持している秘訣だと、私は日々実感してます。

~おまけ~

-朝九時撮影 GDC会場近くの公園-

(S)

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